日ごろ何気なく目にしている和柄ですが、その名前や意味を知っている人は少ないんじゃないでしょうか。
とくに和風のデザインを作るときなんか、「あれ、あの模様の名前なんだったっけ…」ってなったりしますよね。
そこで今日は、比較的よく目にする和柄の名前と意味を、厳選して10個ご紹介したいと思います。
和柄の名前と意味10選
市松模様
色の違う正方形または長方形を、互い違いに並べた模様です。
シンプルな模様ながら、上下左右にどこまでも繋がっていることから、子孫繁栄など数々の縁起の意味が込められています。
千鳥格子
千鳥格子は、千鳥の形に見えることからついた日本的な呼び名で、欧米では「犬の牙」に例えて、ハウンズ・トゥースと呼ばれています。
シンプルだけど、どことなく上品でレトロな印象を受ける模様ですよね。
白・黒が定番の配色です。
唐草模様
風呂敷のイメージが強い唐草模様ですが、実はちゃんと意味があります。
模様にあるどこまでも伸びていくツタの様子から、一族の「繁栄」や「長寿」を意味し、縁起がよい吉祥文様とされています。
またアジア特有のデザインのように思いがちですが、古代エジプトで生まれ、
亀甲(きっこう)
石を積み上げたような六角形は、亀の甲羅に由来していることから「亀甲(きっこう)」と呼ばれています。
「亀は万年、鶴は千年」と言われるように、鶴と同様に長寿の象徴であり縁起のよい柄としてよく使われます。
麻の葉(あさのは)
正六角形を基本に直線で描いた幾何学模様で、古くから仏像の装飾などに使われてきた柄です。
模様が麻の葉に似ている事から、麻の葉と呼ばれるようになりました。
麻の葉は、真っ直ぐにすくすく育つことから「成長」や「子の健康」といった意味があります。また、魔除けの意味も。
青海波
幾何学的に繰り返す波の形が美しい青海波は、大海原の穏やかな波のように、末永く穏やかな暮らしが続くようにという願いがこめられています。
矢絣(やがすり)
弓矢の羽模様の矢絣(やがすり)。
矢羽には邪気を払う破魔矢の意味や、射た矢は戻ってこないことから、結婚の際の縁起物(出戻りしない)としても使われる柄です。
あとは卒業式の着物の柄としても有名ですよね。
菱(ひし)
ヒシと呼ばれる生成植物に由来した模様で、ヒシは繁殖力が強いことから子孫繁栄、無病息災など強いの意味が込められています。
結婚式やホテルなどでもよく用いられている伝統模様です。
菊(きく)
美しく香りも優れている菊は、皇室の御紋にも使われているほど高貴な花で、「邪気を払い長寿をもたらす」といった意味があります。
菱形や丸と組み合わされることも多い柄です。
霞(かすみ)
霞はその名前の通り、霧や靄などによって遠くが霞んで見える自然現象のことですが、この柄は雲と同様に、古くから絵巻物や屏風などでよく描かれています。
上の図は、文字の「エ」のような形をしていることから「エ霞」と名付けられた、霞の柄の一種です。
まとめ
いかかでしたでしょうか?
今日ご紹介した以外にも、和柄にはまだまだ種類がたくさんあります。
普段じゃあまり必要のない知識かもしれませんが、デザインをする上では、模様の意味や由来を知ることでより意味を持たせたデザインができるのではないかなと思います。